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開催レポート

9th International Discussion Meeting on Relaxation in Complex Systems(9IDMRCS)


案件名
9IDMRCS(複雑系における緩和に関する国際会議)
案件名
(英文名称)
9th International Meeting on Relaxations in Complex Systems
(9IDMRCS)
主催者 東京大学 物性研究所 附属中性子科学研究施設 山室修 教授
会場 幕張メッセ(千葉市)
開催期間 2023年8月12日(土)~18日(金) (7日間)
参加国数 39ヵ国
参加者数 621名(うち海外から357名) ※別途オンライン参加115名
MICE概要 ・世界の専門家たちが集まり、最先端の研究成果を発表する物理系の国際会議です。物理・化学・生物・ガラス・新材料・医薬品といった分野(特に物質の構造や緩和現象について)の研究者達がその研究成果を発表するためのセッションが組まれました。
・第1回は1990年にギリシャのクレタ島で開催されました。以降4年に1回開催されており、今回の千葉大会がヨーロッパ以外の国で初開催となりました。
・当初は2021年7月に開催予定でしたが、コロナ禍のため2022年7月に変更されました。しかし、コロナ禍の収束が想定以上に長引き外国人参加者が見込めないことから2023年8月に再変更となりました。
CCB支援内容 ・見浜園を活用したバンケットのユニークベニュー企画・運営(※)
・エクスカーションの企画・運営
・千葉市美術館での同伴者プログラムの企画・運営(※)
(美術館内での寿司職人による寿司パフォーマンスプログラム、浮世絵版画のワークショップ、語学ボランティア手配等)
・広報活動支援(プレスリリース、SNS等)
・学会会場内での大学ボランティア手配
・学会会場内でのツアーデスク設置
・千葉県千葉市国際会議開催補助金、CCB貸付金

※観光庁「ポストコロナに向けた国際会議誘致競争力向上事業」採択案件

■日本初開催の実現 ~日本政府観光局(JNTO)「2019年度 国際会議誘致・開催貢献賞」(誘致の部)受賞~

 本会議は、これまで欧州において開催されてきた会議を、初めて欧州地外の日本に誘致することに成功した会議です。
この会議の誘致にあたっては、初めてヨーロッパ国外での開催機運が高まった際、日本国内の大学機関・研究グループが、いち早く日本へのロビー活動を行い、キーパーソンの信頼を得ることに成功しました。また、ちば国際コンベンションビューローと会場である幕張メッセの連携した誘致により、競合都市では実現できないきめ細かなサービスを提案したことが評価され、千葉での開催が決定いたしました。
 柏市の研究機関が主催、千葉市が会場ということで、多様な産業や学術研究機関、高度な知的人材が集積する両市で会議が主催・開催されることにより、経済効果はもとより、産業イノベーション、若手人材育成等の点でレガシーとなることが評価され、日本政府観光局(JNTO)の選定する「2019年度 国際会議誘致・開催貢献賞*」(誘致の部)を受賞した案件です。
 コロナ禍で開催の延期を繰り返し、3年越しにようやく開催された会議では、学会長の意向により千葉の魅力を参加者に存分にPRする機会を得ると同時に、関係者とともに、今後につながるプロジェクトとして地域の価値や特色、さらなる魅力を高められるものとなりました。

JNTO主催「国際会議誘致・開催貢献賞」:本賞には「誘致の部」と「開催の部」があり、毎年、誘致活動や開催時における地域への貢献等の好事例となる国際会議が表彰されます。

■観光庁主催の「ポストコロナに向けた国際会議誘致競争力向上事業」に採択

 コロナ禍において感染症対策・実地参加者の減少により実施が困難であった、国際会議に伴うユニークベニューの活用・エクスカーション/テクニカルビジット・地域参加プログラム等の実施を通し、「訪日 現地参加者数と一人あたりの消費額の増加による経済効果の拡大」、「自治体の枠を越えた広域連携による開催 地の更なる魅力の創出」、「開催地ステークホルダーとの連携・参画促進によるレガシーの創出」を目的とした 国際会議プログラムを実証するという事業に採択され、下記の取り組みを実施しました。

■夏祭りをイメージした日本庭園バンケット ~地産地消とSDGsを実践~

 幕張メッセから徒歩5分の場所に立地する日本庭園、「見浜園」の庭園全体を活用するというユニークベニュー初の試みとしてバンケットを実施しました。当財団が中心となり、同園を所有する千葉県、園を管理する千葉市の支援を得て、日本の「夏祭り」をイメージし、300名規模のバンケットを開催しました。
 見浜園での今までの開催事例としては、茶室を用いた呈茶での日本文化体験または少人数での食事会が主で、大規模なパーティー初の試みでした。庭園全体をパーティー会場として活用するにあたっては、今後の地域活性化および施設の活用につながることを期待し、地元関係者からもご理解、ご支援をいただきました。
 パーティーは日本文化を体感する「夏祭り」をイメージし、食事を提供する屋台や縁日のイベントを用意しました。実施にあたっては、縁日の商品として千葉ゆかりのグッズを多用したり、開催都市「千葉」を感じられるように地ビールや地産地消を意識した食事を提供しました。参加者が誰でも楽しめる参加型のパーティーでは、焼きトウモロコシを食べながら射的をする参加者もいたりと、各々で祭りを楽しまれていました。
 ライトアップされた幻想的な日本庭園では、日本らしさが感じられるように舞妓さんのお出迎え、三味線のパフォーマンスなどを実施し、会場を盛り上げました。参加者からは感動の声が多く聞かれ、ロケーション・食事内容・演出・幻想的な雰囲気を含めたパーティー全体に対する満足度の高さがうかがえました。
 また、学会会場内外で地域ボランティアを起用し、地元との交流を図る機会を創出しました。バンケットでの料理には、ピクトグラムを併用した食材表記、SDGsを意識した新たな取組として、再生可能な食器の多用、環境への負担が少ない瓶の飲料を用いるなど、新たな取り組みを実施しました。

■バイリンガル対応の体験プログラムが魅力のエクスカーション

 会議参加者エクスカーションの一環として千葉市美術館をランチベニューとして活用しました。ランチでは、現役の寿司職人による房総郷土料理「太巻き寿司」や江戸前寿司を目の前で握ってもらい、日本の技術を披露しました。
 参加者からは、「今まで見た食べ物の中で一番美しい」、「寿司の歴史、太巻きづくりの動画がとても興味深かった」といった声が寄せられたほか、当プログラムに参加して千葉の地酒やお土産品に関心を持ったという方も大勢おり、購入場所の問い合わせも多数ありました。
 浮世絵で有名な千葉市美術館では、浮世絵を見るだけでなく日本の伝統技術である版画のワークショップを行いました。他にも館長によるウェルカムレクチャーと学芸員による浮世絵の解説などを行うことで版画についても深く興味をもっていただき、千葉市美術館のユニークべニューとしての強みをいかすことができました。
 今回の学会では、このエクスカーション以外に4つのツアーを行いましたが全てのエクスカーションに当財団の職員および英語ボランティアが同行し、参加者をサポートしました。英語表記が少ない箇所には英訳したチラシを作成し、参加者に配布するなどの事前準備も当財団でサポートさせていただきました。
 従来のエクスカーションは県内の有名な観光地・施設等の紹介を中心とするものでしたが、今回改めてその土地に根付いた歴史や伝統工芸に対する参加者の関心が高いということを実感しました。また参加者自身が、様々な歴史や背景を英語で学び、実際に体験することが非常に高い満足度につながるということがわかり、今後の誘致活動の際に意識していく必要があると感じました。

■令和5年度千葉MICE Dayにおける山室教授(大会長)からのメッセージ(抜粋)

会議が成功した要因は様々ありますが、チーム千葉の貢献では
・幕張メッセとCCBにより会場、運営、ホテル予約、ソーシャルプログラム等を一体化
・多くの補助金の獲得(千葉県、千葉市、観光庁、協賛企業)
・会議当日の十分なスタッフ、アルバイト学生の確保とチームワーク
・多様性、独自性に富み、かつ質の高いソーシャルプログラム(特に見浜園バンケット)
といった部分がとても良かったと思っております。

コロナ等で2回の延期を繰り返してやっと開催することのできたこの会議ですが、長きにわたり運営全般において素晴らしいサポートをして頂いた幕張メッセとちば国際コンベンションビューローの皆様をはじめ、資金面で多大な援助を頂いた千葉県、千葉市、観光庁、協賛企業の皆様に心から感謝します。

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